カエルはどうやって食べ物を飲み込むのでしょうか？目で押せ！

編集者注:

総合理科試験の後、物理の問題が話題となり、小さなカエルが直交座標系で昆虫を捕獲する様子が人気となった。ネットユーザーの説明によると、この問題ではカエルと虫は別々の座標系で動いており、カエルと虫が交差したときにのみカエルは虫を食べることができるという。

いやいやいや、質問したあなたは本当にカエルを過小評価しています。カエルが昆虫を食べたい場合、昆虫と接触する必要はありません。その舌は無駄に長く続くわけではない！

捕獲！ ｜レイチェル・ラレンサック/サイエンス

数年前、ジョージア工科大学で博士課程を始めたばかりのアレクシス・ノエルは、解剖学の授業で学生たちに奇妙な要求をした。カエルを切り刻んだ後、舌をくれないか、と。学生たちは同意した。

研究室でヒキガエルを抱いているノエル｜アレクシス・ノエル

出て行け！超強力な捕食者の舌！

ノエルは子供の頃からカエルが大好きでした。彼女は成長してデイビッド・フーの生体力学研究室に加わり、カエルの研究をするのが待ちきれませんでした。

胡立徳氏もこのテーマに非常に興味を持っています。彼は最近、アトランタ植物園を訪れ、色鮮やかなヤドクガエルの群れが餌を食べているのを見ました。彼はカエルの動きに物理学の奇跡を見た。カエルが粘着質の舌を昆虫に向けて動かすとき、驚くべきスピードと正確さで動いていたのだ。

彼はその後、ハイスピードカメラを使ってヒョウガエルを撮影し、このカエルが0.07秒未満、つまり人間の瞬きの5倍の速さで昆虫を捕らえられることを発見した。舌が獲物に当たると、加速度は重力の12倍になります。しかし、どういうわけか、獲物は吹き飛ばされずに舌にくっついてしまったのです。

オオハナガエル（Phyllomedusa bicolor）の狩り｜Ed Yong / Youtube

濡れた素材を、ざらざらした質感の物体に高速で衝突してくっつくように設計してみるのもよいでしょう。それを設計することはできません。誰もそれをやったことがありません。しかし、カエルは狩りをするたびにこのスキルを発揮します。 19世紀からカエルの舌の研究が続けられてきましたが、なぜカエルの舌があんなに粘着質なのかは、現在まで解明されていません。

なんでこんなに粘着性があるんですか？

この疑問に答えるために、ノエルは解剖学の授業でたくさんのカエルの舌を集めました。それから、博物学者の偉大な伝統に従い、彼女は指でそれらすべてを突っついた。その優しいタッチは彼女と胡立徳の両者を驚かせた。 「それらは粘土のようなもので、触っても固体か液体かは分かりません」とフー氏は語った。 「また、噛みたてのガムやマシュマロのように手にくっつくので、とても粘着性があります。」

その後、ノエルは学校の死体農場から集められた血まみれのカエルの舌と人間の舌の入った袋を持って材料試験室に入った。彼女は切除した臓器に円筒をゆっくりと押し込むことで、人間の舌がカエルの舌よりも10倍も硬いことを実証した。

それだけでなく、いくつかのカエル種の舌は、これまでに測定された中で最も柔らかい生物学的材料の一つです。 「それらは人間の脳と同じくらい柔らかいが、人間の脳は獲物を捕まえるために飛び出すことはない」とフー氏は語った。カエルの舌は柔らかいので、昆虫に当たったときに昆虫を包み込むことができ、最大の接触面を作り出すことができます。コネチカット大学のカート・シュウェンク氏も次のように指摘している。「カエルの舌の慣性により、排出時に舌を大きく伸ばすことができ、カエルの捕食距離が伸び、昆虫に襲いかかる能力が向上する。」

カエルの舌には衝撃吸収装置も組み込まれており、衝撃を受けたときにエネルギーの一部を吸収する小さな脂肪と筋肉の塊です。これらのショックアブソーバーはカエルの舌を回収するときに機能し、昆虫は大きな力を受けても落ちません。 「舌は野球のグローブとトランポリンを組み合わせたようなもので、伸びたり縮んだりするだけでなく、つかむ力も持っている」とフー氏は言う。

カエルの舌を伸ばす実験 |エド・ヨン / Youtube

「ヒョウガエルは多種多様な昆虫、ミミズ、その他の無脊椎動物を捕食していることが分かっています」とクレアモント大学のジェナ・モンロイ氏は言う。 「獲物の大きさに合わせて舌の硬さと抵抗力を調整し、確実に捕獲できる可能性がある」

「しかし、この軟部組織は戦いの半分にしか過ぎません」とノエル氏は言う。残りの半分はカエルの唾液です。

彼女と同僚たちは、採取したカエルの舌から唾液をこすり取るのに多大な時間と労力を費やした。 「唾液は非常に粘着性があり、こするたびにスクレーパーでこすり落とさなければなりません」と胡立徳氏は言う。 「0.5ミリリットルを集めるのに30分かかります。珍しい宝物のようなものです。」

もう一度キャプチャ！ ｜デイビッド・シュルツ / 科学

「人々はカエルの唾液はただ粘着性があるだけだと思っていた」とノエル氏は言う。しかし、さらに詳しく調べた結果、唾液は非ニュートン流体、つまり加えられる力に応じて性質が変化するタイプの流体であることがわかった。たとえば、蜂蜜はかき混ぜると固体から液体に変化し、コーンスターチと水の混合物は叩くと固体になり、ケチャップは瓶を振ると液体になります。唾液はケチャップのようなもので、外部からの力によって粘着性が低下します。しかし、同じ外力を受けると、人間の唾液の粘度は約 1/10 に低下し、カエルの唾液の粘度は約 1/100 に低下します。

そのため、カエルの舌が昆虫に当たると、カエルの唾液が自由に流れ始め、昆虫の体表面のあらゆる亀裂や開口部に簡単に浸透します。舌の動きが遅くなり引っ込むと、唾液は再び凝縮して粘着性のある状態になり、これは拳を握って昆虫を捕まえるのと同じ状態になります。

食べ物が舌の上に詰まったらどうしますか？

「この分析は、カエルが獲物を喉に押し込むために眼球の後ろの部分を使う理由など、私たちが観察する興味深い現象の多くを説明するのに役立つ可能性があります。」

昆虫が口の中に入ったら、カエルはそれを舌から取り除かなければならない、と北アリゾナ大学のキイサ・ニシカワ氏は言う。幸いなことに、スライムのトリックは垂直方向で最も効果的に機能します。舌から虫を引き離すのは難しいが、こじ開けるのは簡単だ。カエルは昆虫を前に押し出す何かが必要だったので、眼球を使ったのです。 12年前、ロバート・レヴィンは、カエルが飲み込むときに眼球を内側に引っ込め、舌から昆虫を押し出すために使っていることをX線ビデオで示した。

ツノガエルは目を使って獲物を飲み込む｜Ed Yong / Youtube

粘着性のある動物は材料科学のミューズです!

粘着性動物に関する研究の多くは、新しい材料の創造につながっています。ヤモリの壁登りの能力は乾燥接着剤の開発につながりました。ムール貝の足糸（岩に固定する粘着性のある繊維の網）からヒントを得て、水中で使用できる接着剤が開発されました。そして、ミミズからヒントを得て、より優れた医療用テープや出血しない接着剤が開発され、縫合せずに傷を修復できるようになりました。

カエルの舌がどんな発明につながるかは誰にも分からない。 「素早く縫合するとすぐに固くなる縫合糸や、素早く剥がしても痛くないバンドエイドを想像してみてください」とフー氏は言う。

「なぜ私たちはこれらのことに関心を持たなければならないのか？」動物の力学を研究する西川氏はそう語った。 「生物学から得たインスピレーションは、人類の実際の問題を解決できるからです。カエルの舌は人気がないように見えるかもしれませんが、抗生物質もパンカビから作られていることを忘れないでください。」

勉強しながら猫をしゃぶりたくなった！ ｜ジェニファー・ヴィーガス / リーダーズダイジェスト

さて、ノエルは猫の舌に注意を向けました。表面は小さな棘で覆われています。ノエルは、これが身だしなみを整えるためなのか、骨から肉を剥がすためなのか、それとも他の目的なのか疑問に思いました。 「私は飼い猫とトラの両方の言語を研究しました」と彼女は言った。 「猫もカエルも大好きな動物で、どちらも私の現在の研究対象です。素晴らしい人生です。」

エド・ヨンド

翻訳: 紅の豚

この記事は種カレンダーから引用したものです。転送を歓迎します

転載が必要な場合は[email protected]までご連絡ください。